映画:鑑賞録(2022年4月後半)

月ごとに観た映画の鑑賞録です。15日で前半と後半に分けています。
映画館、DVD、ネット配信のGYAOと、すべて混こぜです。
観る映画は監督で決めます。

評価は四段階で、

今回は2022年4月前半の観賞録です。

2022年4月前半の映画鑑賞録

タイトル監督評価鑑賞日
鬼に訊け -宮大工 西岡常一の遺言山崎佑次2022/04/29
希望のかなたアキ・カウリスマキ2022/04/29
トゥ・ザ・ワンダーテレンス・マリック2022/04/28
追想ロベール・アンリコ2022/04/26
ブレインストームダグラス・トランブル2022/04/24
捜索者ジョン・フォード2022/04/21
歩いても 歩いても是枝裕和2022/04/20
風の無法者ジョルジオ・ステガーニ2022/04/19
ウエスタンセルジオ・レオーネ2022/04/18

旧作に酔いしれた2週間

コロナの影響で新作上映の延期が何度も行われたことで、映画館からすっかり足が遠のいた日が続いている。とは言え、もうしばらくの辛抱だろう。
個人的にはまた映画館に出かけることも多くなるだろうが、世間一般の人は果たして再び足を向けることになるだろうか?映画を観るという行為自体を忘れてしまったのではないかと心配になる。

今回の2週間は、それほど鑑賞数が多くはなかったとは言え、映画が大画面で観られていた頃の巨匠からミニシアター系まで幅広いジャンルの作品に触れることができた。
その中には、ロベール・アンリコの新しい一面を知ることができたのは大きい。

また、『ブレードランナー』の主要製作陣の一人であるダグラス・トランブルの監督作も興味深かった。この作品で再現される死後の世界へ通じる過程の映像は、臨死体験をした人に聞き取り調査を行って再現されているらしく、実際の映像に近いと言われている。

お勧め映画

『トゥ・ザ・ワンダー』

映画を成立させている映像、音声、時間軸をいったん分離させて、新たに構成し直し、ひとつの物語としたテレンス・マリックの意欲作。作品は哲学者でもあるマリック監督の映画への問いかけでもある。自分の知った範囲内で楽しむ娯楽ではなく、未知で新しい何かに触れる体験という芸術として、『トゥ・ザ・ワンダー』は観賞する映画。ここが分からないと、?・・・となる。
マリックの演出意図、彼を信頼して演じた役者、男女二人が抱くときに共有し、ときに対立する感情を繊細に見せたカメラマン、そして血液や鼓動のような生の根底に流れている音を聴かせる音楽と、分離された各要素すべてが美しく光っている。

『追想』

爽やかで解放感にあふれた『冒険者たち』しか知らなかったロベール・アンリコの、新たな一面を見せられた。内容とは全く合っていない題名がつけられたのは、ヨーロッパ発の郷愁を誘う小さな物語が流行った当時だからか。
孤立奮闘するフィリップ・ノワレは、アル・パチーノやダスティン・ホフマンの姿に重なる。

『ウエスタン』

一秒とはこんなにも長かったのか。そのなかで人間の対立がこれほどまで濃厚に描かれるとは。セルジオ・レオーネの作品に触れるたび、そこに流れている凝縮された時間に驚かされる。
時間を刻むことが映画の編集だと思われているなか、ただ一人セルジオ・レオーネだけが真逆を行っている。彼に比べれば、タランティーノなど赤ん坊の遊びでしかない。