映画:鑑賞録(2022年3月前半)

月ごとに観た映画の鑑賞録です。15日で前半と後半に分けています。
映画館、DVD、ネット配信のGYAOと、すべて混こぜです。
観る映画は監督で決めます。

◎:愛した映画。絶対に映画館で観たいし、ネットでの再配信は必ず観る
〇:機会があれば映画館でみたい。ネットの再配信があれば優先して観る
△:あまり面白味を感じなかった。積極的には次回は観ようとはしないか
✕ :もう観返さない目印。しかし監督には関心があるから、今後、評価が変化するかも

今回は2022年3月前半です。

2022年3月前半の映画鑑賞録

題名監督評価媒体観た日
ミステリアス・ピカソアンリ=ジョルジュ・クルーゾーDVD2022/03/01
神戸国際ギャング田中登GYAO2022/03/03
やくざ絶唱増村保造GYAO2022/03/06
瀬降り物語中島貞夫×GYAO2022/03/07
四畳半襖の裏張り神代辰巳GYAO2022/03/08
眠狂四郎魔性剣安田公義×GYAO2022/03/10
ドラキュラフランシス・フォード・コッポラ×DVD2022/03/11
復讐するは我にあり今村昌平GYAO2022/03/12
Seventh Code黒沢清GYAO2022/03/14
回路黒沢清GYAO2022/03/15
ラ・ジュテクリス・マルケルGYAO2022/03/15

語るためには、まずは観ること

日本人監督の映画が多かった3月前半。なかには個人的に好きな増村保造監督作で、未見だった作品もあった。
作品の出来不出来は別として、まずは観てみる。とくにそれが敬愛する監督作であるなら、なおさら観る。この姿勢でないと、映画を語ることはできないのではないかと思っているから。

今村昌平監督は、『神々の深き欲望』や『人間昆虫記』などが有名だが、個人的には今回観た『復讐するは我にあり』は好きな作品だ。
題材をオーバーに取り上げず、カメラも激しく動かず、観客に衝撃を与えようという意図も映像にはない。
これらはどこから生まれたのか?今村監督の視点からである。
おそらくカメラ本体の横にずっと居座り、その固定位置からの監督に見えた出来事を、事実を元にしたフィクションとしてカメラレンズが捉えたのだろう。そう思わせる静かな力強さが魅力だ。

お勧め映画

『ラ・ジュテ』

映像作家の作品を魅せられた感が満載の『ラ・ジュテ』。二度目の鑑賞。
過去現在未来を行き来するSF的テーマ、「男女の出会いと恋」という物語の定番、終末思想と反逆分子、宗教性を帯びた音楽、内省的なモノローグなど、この短編のなかに映画表現の全てが詰まっている。
そう言えば、映画学のフランス人教師も講義で取り上げていたっけ。
こういう作品を創るのは楽しそうだ。


『回路』

いまや日本を代表する黒沢清監督の作品。久しぶりの鑑賞。
幽霊、あちらの世界、狂ってしまうこと、伝道。黒沢作品の根底に流れるコンセプトが一般映画として登場した今作は、まだ粗削りさもあるがそれが恐怖を倍増させる魅力にもなっている。
音楽もその存在を主張し、影の登場人物と称するにふさわしい。

後に傑作『CURE』を世に送り出すが、こちらは「語らぬ」恐怖であるのと対照的に、『回路』は「語る恐怖」と言ったところ。同じく傑作である。


『四畳半襖の裏張り』

神代辰巳監督は、『一条さゆり濡れた欲情』と併せて、この『四畳半襖の裏張り』が代表作と言われている。どちらが好みかは、人によるだろう。自分はこっち。
『一条~』も良い作品だけど、本人の口の奥にキラリと光る銀歯が、どうしても気になってしまう。

今作では、浮世絵や大正時代のモダンなど、様々な要素が小道具に用いられて、それらを見るのも楽しくある。特に、女郎の着物の柄合わせに目を奪われた。