現代人に運動が不可欠な最新情報が満載『脳を鍛えるには運動しかない』

『脳を鍛えるには運動しかない』ジョンJレイティ

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精神科医でユーチューバ―の樺沢紫苑氏は、本や動画で数多くの本をおすすめしています。
そのなかでも一押ししている本が『脳を鍛えるには運動しかない!』です。
樺沢氏が常々主張している運動の大切さも、この本が原点になっているようです。

ここでは、この本を読んで個人的に学びとなった箇所を抜粋してみたいと思います。

人類は野蛮から発展したのではない

原始人は野蛮だったのではない
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著者のレイティ氏は、人類は過去50万年のあいだ、身体能力を磨き、かつ脳を進化させる必要があったと言います。
なぜなら、変わりゆく環境に順次適応して生き延びなくてはいけなかったからです。
言葉を代えて言うなら、知恵をつかって食料を見つけて貯える技術を開発していったということです。

つまり我々の先祖は、常に発展状態にいたのであり、決して野蛮ではなかったのです。
生存の術が学習そのものであり、人類の脳の回路を発達させたのでした。

新たな思考回路としての不安

狩猟や農耕で食料を得るようになっても、獲物が取れないかもしれない、手持ちの食べ物が底をついてしまうかもしれないという思考は常についてまわりました。
この思考が不安という感情を人類に植え付け始めたと言います。

やがてこの思考は癖となり、果てはマイナス思考へ至ることになるのです。
そして現代の私たちにまで脈々と受け継がれていると言います。

不安を受け継いだ現代人ができること

そんな我々は、どうするのが良いというのでしょうか?
レイティ氏はこう言います。
脳が本来持っている学習機能を利用して、癖になってしまったマイナス思考を消すのだと。

物質としての脳は粘土のようなもので、新しい情報をとり入れることで神経細胞(ニューロン)同士を結び付けることができるそうです。
この性質を利用して、プラス思考を新しい情報として脳に記憶させようと言うのです。

脳細胞を刺激し変化させる

そもそも人間とは、行動と思考と感情の総体としての生物です。これらの要素は、脳細胞どうしのつながり方如何で決まります。

ですから、このつながりに対して逐一フィードバックをし、変化させよう。
そうすることで、固定化された脳を刺激しようというのが、著者ジョンJレイティ氏の言わんとするところです。

運動でプラス思考になれる

運動でプラス思考になれる
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ここで最も重要な鍵となるのが、身体を動かすこと、つまり運動です。

ここには、次の公式があると言います。

  • 身体を動かす→脳が働く→成長
  • 身体を動かさない→脳が学習しない→衰退

かつての人類にとって体を動かすことは、狩猟採集を意味し、生存そのものでした。
しかし現代の私たちでは、それは運動を意味しているのです。

脳に与える効果

運動の効果は計り知れません。
頭がスッキリして気持ちがよくなるのは、誰もが経験したことがあるはずです。
また注意力がアップし、やる気も出てきますよね。

そのとき脳ではどんなことが起きているかというと、新しい情報を記憶しようと脳細胞どうしが繋がりあう準備をはじめているのです。
そして記憶をつかさどっている海馬では、新しい細胞から新ニューロンが成長しているのです。

つまり運動は、気持ちだけでなく脳細胞にも影響を与えているのです。

欲求不満解消の代替行為になる

運動が習慣化すると、お酒や食べ物への欲求が減っていくと言います。
つまり運動が、それまで脳の欲求を満たす行為であった飲酒や食事の代替行為になるのです。

さらに、目先のことにとらわれず、生き方を長いスパンで見られるようにもなれると。
そして、いま生きている幸福感と爽快感が増えいくと言います。

ストレスへの反応を変える

運動することで、ストレスに対する反応も変わります。

運動とは自発的に行う動作です。
つまり意図的に体を動かすことで、自分を支配している感覚を得られるようになり、自信もつきはじめるのです。

これによりストレスが予測できるようになり、かつコントロールも可能になるのです。
ストレスに対しての意図的な行為にアルコール摂取がありますが、運動にはアルコールに見られるような副作用がありません。

その場しのぎでなく、「きっと大丈夫」という立ち直れる自信がふつふつと湧いてくるのです。
ここが運動の最大のメリットでもあります。

鬱にもたらす効果

運動は鬱にも効果があります。
特に、鬱の初期症状である寝付けない、起きられないといった睡眠障害には最適です。

樺沢紫苑氏は、朝起きた1時間以内に散歩することをオススメしているのはご存知のことでしょう。

運動は続けることが大事

運動は継続が鍵
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ですが運動に即効性はありません。
身体が動き始めると、それに併せるように脳もゆっくりと機能しはじめるからです。
ですから運動を段階的に積み重ねていくことが鍵になります。

冬眠状態の脳をだます

鬱とは何に対しても動こうとしない状態です。
それを、徐々に体を動かしはじめることで脳をだまし、冬眠状態から目覚めさせようというのが運動というわけです。

プラス思考になる運動量の目安

どれくらいの運動量が必要かは、人により差があります。
少しずつ試しながら、自分に最適な運動量を見つけていきましょう。

目安としては有酸素運動を30分間すると、一日の大半を集中して過ごせるようになるようです。

快楽は依存と結び付いていない

依存症は快楽を求めてのことではない
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世の中には様々な快楽があります。
アルコールやカフェイン、ニコチン、薬物、セックス、ギャンブル、ゲーム、買物、自堕落などなど。

これらの快楽は報酬系であり、脳の側坐核のドーパミンを増加させると言われています。

このような快楽に依存している人は、はた目には好きで溺れていると見えます。でも実は、そうではありません。
依存症は快楽主義とは違うと著者レイティ氏は言います。

快楽は好きという感情と結びついています。
しかし快楽は、依存という欲求は結び付いていないのです。

依存は報酬を得るためにすすんで行う状態です。これにはドーパミンが関わっています。

依存は脳が学びすぎた結果

依存症の例として薬物を取り上げてみましょう。
薬物を摂取すると、側坐核の部分が顕著に成長し、神経細胞どうしのつながりが増えます。そして、より快楽を感じるようになります。
この感覚が摂取後も強く残り、摂取を繰り返すようになるのです。これが依存症です。

つまり依存症とは脳が強烈に学び過ぎてしまった結果でしかないのです。よって、摂取という反射的な行動を止められなくなるのです。

理性をつかさどっている前頭前野が、間違った選択をしているのではありません。

この依存症状態は、神経の機能が正常に働いている状態ではありません。
ですが治療は可能であると言っています。

細胞の老化に効果的な対策

細胞の老化に効果的な対策とは?
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次に、細胞の老化対策についてです。
細胞が古くなるとは、ストレスへの適応力が減ることです。

レイティ氏は、様々な有効的な方法を述べています。

細胞の修復を助ける食べ物

老化した細胞を修復する仕組みがあるそうで、ある食べ物にはその仕組みを活性化させると言っています。
それは

  • ニンニク
  • たまねぎ
  • ブロッコリー
  • ブルーベリー
  • ざくろ
  • ほうれん草
  • 緑茶

です。

良質な脂肪を摂る

また、その半分が脂肪である脳には、良質な脂肪をであるオメガ3脂肪酸を摂ることをおすすめしています。
オメガ3脂肪酸は、魚のさけ、たら、まぐろなどに多く含まれています。
また、蟹やムール貝や牡蠣などの甲殻類にも豊富です。

逆に、トランス脂肪や動物性脂肪は控える方がよさそうです。

最適な運動量とは

運動の目安として年齢を元にして最大心拍数を割り出すのが良いと言います。
≪最大心拍数=220-年齢≫

取り入れるべき運動の種類

運動には次の3種類をとり入れるのが効果的です。

筋力トレーニング
・ダンベル、マシンなどを10~15回×3セット(週2回)

骨の強化
・テニス、ダンス、エアロビ、縄跳びなど

柔軟性、バランス感覚
・ヨガ、ピラティス、太極拳、バランスボールなど

これらの運動を三ヶ月続けた脳の状態をMRIで測定したところ、海馬の毛細血管量が30%も増えていたそうです。
つまり、脳の機能が向上したということです。

運動が与える体への影響

私たち人間の祖先は、おもに狩猟のために歩き走りまわっていました。
これを今風に言えば、ウォーキングであり、ジョギングやランニングです。
ときには全力疾走もしたことでしょう。

これらの運動の各心拍数と体への影響はこうなるようです。

【ウォーキング】
・最大心拍数の55~65%
・脂肪が燃焼し、代謝が盛んになる

【ジョギング】
・最大心拍数の65~75%
・脂肪とグルコースを燃焼
・細胞の損傷と修復を繰り返す

【ランニング】
最大心拍数の75~90%
代謝は無酸素状態に
筋肉には乳酸がたまる
ヒト成長ホルモン(HGH) が放出し、不老・若返りへ

レイティ氏おすすめの運動量

脳を鍛える運動量の最適な目安とは?
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これらのデーターを元に、著者のジョンJレイティ氏が45歳の成人におすすめする運動量が次になります。
(※最大心拍数が175であり、その75~90%は131~158とする)

45分~1時間の有酸素運動を週に6日行う

・4日は、中程度の負荷で長めに

・2日は、高強度の負荷で短めに

(※高強度の2日は連続して行わない)

この運動を続けると、脳の報酬中枢ニューロンが新ドーパミン受容体を生みはじめて、もっと運動したいという気持ちを起こさせると言います。

その結果、数週間で運動することが習慣になるそうです。

まとめ

レイティ氏はこう結論を述べています。
運動は自分を鍛え直してくれ、かつ、遺伝子の束縛を断ち切る手段であると。

もちろん毎日運動するのがベストであるが、休み休みでも効果は確実に出ると言います。
仮に数日から1・2週間運動を休んだとしても、また運動しはじめれば、海馬はBDNFを生産する。
だから運動そのものは、した方が良いと言うのです。

この本がおすすめの人

勉強しているのに全然成果がでない人や、依存症とまではいかなくても何かに時間を取られているなと感じている人にオススメです。

日常にほんの少しの運動をとり入れるだけで、肉体面だけでなく精神面でも変化が出てくることを感じられるはずです。
そしてその変化は、必ずやプラスの成果をもたらしてくれます。

現状を打破し、自己成長を望んでいる全ての人にオススメしたい一冊です。