ポッドキャストで配信中の「Dear Ken」では、第100回から本田健とリスナーのオススメ本を紹介しています。
ここでは第105回の放送で紹介された本を、個人的な感想も含めて、まとめとして書きます。
リスナーのおすすめ本『モモ』
町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。
アマゾンより
町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。
そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。
「時間」とは何かを問う、エンデの名作。
時間の意味を考えされられる
ドイツの作家ミヒャエル・エンデが書いた童話『モモ』。
サブタイトルは、「時間泥棒と、盗まれた時間を人間に返してくれた女の子の、不思議な物語」です。
お金で買えないのが時間のはずなのに、実際のところ私たちは仕事では、時間を効率という物差しで測っているというのです。
でもそれは、仕事に時間を使われていることにほかなりません。
仕事という時間泥棒に操られているのです。
そのことに気づくことができるのが、『モモ』だとリスナーは紹介しています。
モモに話を聞いてもらうだけで、自分の本当の気持ちに気づける。
それは、本当の自分のありかたに繋がっていくのです。
時間に追われがちな現代社会のなか、自分と向き合うことの大切さと、本当に大切なものは何かを教えてもらえます。
内容は大人向け
童話とは言っても、誰にでも平等にある時間がテーマです。
子供だけでなく、大人にも読んでほしい一冊です。
日々、仕事の追われる生活での時間の意味を考えさせられることでしょう。
小説が書かれた背景
この本を書いたミヒャエル・エンデは、映画にもなった『ネバーエンディングストーリー』も書いたドイツを代表する作家です。
エンデは『モモ』をイタリアに住んでいるときに書いたらしいです。
なぜイタリアで暮らすようになったのでしょうか?
それは、ドイツ語の素晴らしさをイタリアで再発見したかったから。
本田健氏は30歳前後にボストンへ移住しましたが、それはエンデに影響を受けたからだと言います。
英語にどっぷり浸かった環境の中で、日本語の良さを知りたかったそうですよ。
本田健のおすすめ本『竜馬がゆく』
総発行部数2500万部超!
坂本竜馬の奇蹟の生涯を壮大なスケールで描く、司馬文学の金字塔。土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。
「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。
アマゾンより
坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。
かれは土佐の郷士の次男坊にすぎず、しかも浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。
竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説
明治維新のきっかけをつくった人物の一人である坂本龍馬が主人公の青春小説です。
20代、30代、40代と、どんな年齢になって読んでみても、それまでとは違った一面が浮かび上がってくる小説です。
竜馬の生き方に活力をもらえる
本田氏は、自身のエネルギーがダウンしていると感じたときに、読み返したくなると言います。
「竜馬はそのときこうだったぞ!」と、困難に負けなかった先人からパワーをもらうんでしょうね。
この本は長編ですが、それを感じさせないスピード感と躍動感があり、一気に読んでしまいます。
時代を先駆けて動かそうとする心意気と、人望に長ける人間力は、物語からもうかがい知れます。
人間の生き様を描いた小説の面白さを味わえる一冊と言えるでしょう。