化学物質過敏症で障害年金の申請をするときに役立った本

化学物質過敏症で障害年金の申請をするときに役立った本

煙草の三次喫煙が発端となって柔軟剤、消臭剤、芳香剤、接着剤、インクなど、さまざまな化学物質で頭痛やめまい、思考力の低下、集中力が続かない、足のふらつき、関節の痛みなどの症状が出て、それらが治まることがなりました。
ー これはもう普通の生活はできないのかもしれない ー
そう思うようになり、さてどうやって生きていけばよいのだろうか?と考えられない頭で考えるようになりました。

ふと障害年金という制度を思い出して、まずはどんな制度なのかをネットで検索しはじめました。でも見つかるのは、化学物質過敏症での障害年金に関する社会保険労務士の障害年金代行申請サービス紹介ばかりで、自社で担当した申請代行を語っています。
でも探しているのは、申請の一歩手前の情報なのです。

例えば、障害年金に申請できるできないの分かれ目は何なのか?、どんな準備が必要なのか?、申請して認可される決め手は何なのか?、そして受給額はいくらなのか?など。
だから金太郎飴のように並んだサイトは、大して役立ちませんでした。

話は少しそれますが、社会保険労務士の会社のウェブサイトってどれも見た目が同じです。同じ雛形を使って、会社名と住所だけ入れ替えているようにも見えます。
一方で、個人で活動されている方は手作り感が満載で、見た目やSEOなどのマーケティングとは縁の遠いサイトが多いように感じました。

話を戻して、これはネットで情報を収集するのは限界だなと思い、本を読むことにしました。
働かない頭で、なんとか10冊を超える本を読みました。その半数はネットで探せる程度の情報しか書かれていませんでしたが。こちらも金太郎飴のようで、あたかもブラックライターが書いたかのような、著者の言葉が感じられない本でした。
もっとも、社会保険労務士が代行する障害年金の申請は行政の手続きなので、誰がやっても必要なことは同じだろうから、結果として文章も似たりよったりになるのかもしれませんが。

それでも何冊かは、ある部分では事細かに説明していたり、症状で苦しんでいる者の立場を考えて書かれているなど、著者の思いも伝わってきました。それらの本はずっと手元において、ことあるごとに何度も読み返して頭に叩き込んだのです。

ここでは、化学物質過敏症で障害年金に申請する際に、実際に非常に参考にしたそれら四冊の本を紹介します。

『これ一冊でわかる!障害年金のしくみと手続き』吉野千賀

障害年金の全体像からはじまり、必要な書類、診断書、受給後の過ごし方、再申請の手続きなどが見開き1ページごとに端的に書かれていて、最初からザッと読んでいけば障害年金のことが一通り理解できます。
イラストや図解も多くて分かりやすいため、これから障害年金のことを知ろうという初心者におすすめしたい一冊です。

ただし化学物質過敏症に関しては、認定困難疾患として一言しか書かれていません。でも障害年金そのものを知る第一歩にふさわしいと言えます。
基本的には、障害年金に自分で申請しようと思っている人を対象にしている本です。

吉野 千賀
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『これならわかるスッキリ図解障害年金 第2版』松山純子

図解というだけあって、各ページに解説図が含まれており、それらを見るだけでもおおよそが分かります。初めから読むことで、障害年金の全体像から様々な手続きにいたるまで理解できます。ただし、表紙に描かれているようなイラストは本文にはありません。

とくに役立ったのは、障害年金の申請を社会保険労務士に頼もうとしている人むけの内容が書いてあることです。
ただし化学物質過敏症については書かれていません。直接的な参考にはなりませんが、障害年金の全体像を知るには上の本と同様に最適な一冊です。
文章も分かりやすく、縦書きで書かれているので、本を読みなれている人にも親しみやすいと言えるでしょう。

松山純子
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『障害年金の手続きから社会復帰まで 第2版』漆原香奈恵

この本でもっとも役立ったのは、冒頭の一覧です。障害年金申請の重要ポイント、等級、請求手続きの流れ、障害年金を受給できるかどうかのYse/Noフローチャート、各種制度や給付についてなどが、見開き1ページで分かりやすく書かれています。

化学物質過敏症になると、「もっと情報を集めたい」と焦る気持ちがつのって、本やネットで情報を探しまわりがちになり、得てしてその渦に飲み込まれそうになります。そんなとき、この本の冒頭一覧に戻れば、申請するためにやらなければならないことのどの段階に自分がいるのか、次に何をしなければならないかを再確認できました。
縦書きの本文では、それらを詳しく解説し、より理解を深められます。

化学物質過敏症のことは書かれておらず、社会保険労務士についてもさわりだけなので、この点では物足りなさが残ります。ですが、目で見て理解したい人には冒頭の一覧が、文章で理解したい人には本文が、それぞれ非常に参考になる一冊です。

漆原香奈恵
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この三冊を繰り返し読むことで、障害年金制度の大枠と必要な書類の集め方、書き方を理解しました。
なにせ馴染みのない事柄で、そのうえ初めてで、分からないことの連続で戸惑ってばかりでした。しかも化学物質過敏症の症状が常に出ていて、数ページ読んではまとめてと、何ヶ月もかけて一つずつゆっくり理解していきました。

なぜ本を読もうとしたのか?
それは、何の知識も持っていない状態で年金事務所や社会保険労務士にいきなり相談すると、障害年金のイロハから教えられることになるだろう。それだと規定の時間なんてあっという間に終わってしまうと予想したからです。こちらとしては個別の深い事情まで伝えて質問したいのに、時間切れになってしまうのではないかと。

そうならないためにも、そして、本当に教えてほしいことを聞き出すためにも、大枠で構わないから知識をつけておくほうが良いのではないだろうか。それも一つから探すよりも、さまざまなところから情報を集める。その最も簡単な方法が、専門家が初心者むけに書いた本を読むことだと思ったのです。

上の三冊は、障害年金という名前は知っているが、その詳細は知らない人を対象にしています。そのため、分かりやすく平易な言葉で説明しています。
さらに、ここが最も感じたところですが、この言わば”特殊な”制度を利用しようとする人が、困っていると想定して書かれてあるのです。
化学物質過敏症のことは書かれていなくても、申請する制度は他の障害と同じ障害年金なので、色々と参考にできる点はあったと思っています。

障害年金制度も年ごとに細かな点が変更されているらしく、10年も昔の本では、症状の取り扱いや受給額などが現制度にもはや適していない箇所もあるようです。
つまり、出来る限り最近に出版された本のほうが情報が正確と言えます。
化学物質過敏症で障害年金の申請を考えるとしたら、まずはこの三冊のどれかで障害年金制度を理解することからはじめるのが良いかと思います。

『続よくわかる障害認定基準と診断書の見方』宇代謙治

上にあげた本は化学物質過敏症については書いていませんが、 この本は化学物質過敏症で障害年金に申請する手続きが事細かに書かれています。
化学物質過敏症が障害年金ではどう区分され、その症状は審査ではどう判断されるのか。
そしてもちろん、申請書類の書き方も化学物質過敏症の患者を対象にして書かれてあります。このような本は現時点でおそらく唯一でしょう。

もし、実際の申請を社会保険労務士に代行してもらうのなら、この本に書かれてあることを全て知っている必要はありません。ですが、社会保険労務士と初めて相談する時には、この本に書かれてあることは必ず聞かれます。だから知っていて決して損はありません。

一方、社会保険労務士に依頼せずに自分で申請するつもりなら、この本は欠かすことができません。まるで、化学物質過敏症での障害年金申請を熟知している社会保険労務士が、未経験の同業者へ向けた指南書のようにも思えます。
こう言えるほど、素人の自分が必要な情報を探すのは極めて難しいというのが現実でした。

とは言っても、さまざまな症状の障害年金申請についての本であるのは変わりありません。化学物質過敏症は全症状の一部でしかなく、しかも他の本と比較して価格が高いのです。ですが、それだけの価値は十分にあります。
もし社会保険労務士に依頼すると、金額はこの本の20倍近くかかります。それを思えば、本など安いものと言えるでしょう。フラフラの頭での果てしない労力と、時間がかかることは覚悟しなければいけませんが。

宇代謙治
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